
リテラシーが重要
先日のブログに対して、「マイナンバーの12桁が“マスターキーとして漏洩する”という表現は正確ではない」というご意見をいただきました。
指摘のポイントは、マイナンバー制度では12桁の番号そのものを各機関が共通キーとして保持しているわけではないという点です。
行政機関同士がデータを連携する際には、マイナンバーを直接使わず、 機関ごとに異なる暗号化された符号(情報連携用符号)に変換して利用する仕組みが採用されています。
そのため、一つのシステムから芋づる式に全情報が紐づく構造ではなく、分散管理によってリスクを抑える設計になっている、という説明でした。
今日は補足で書きますね。
技術的に正しくても「安心」とは別問題
こうした制度設計上の説明を受けても、一般利用者の視点では「だから安心です」とはなりませんよ。
理由はシンプルで、過去に省庁や企業で情報漏洩が繰り返し起きてきた現実があるからです。
どれだけ技術的に安全性を語られても、
- ヒューマンエラー
- 運用ミス
- モラルの欠如 など、技術以外の要因が情報漏洩の大半を占めている以上、 「設計が安全だから大丈夫」という説明だけでは不十分です。
さらにデジタルデータはコピーが容易で、紐付けも自動化されるという特性があります。
一度漏れれば、紙の情報とは比べ物にならない速度と範囲で拡散します。
私が危険だと感じているのは、この“デジタル特有の広がり方”です。
マイナ保険証の議論について
また、マイナ保険証をスマホに入れることについても「スマホの生体認証や暗号化技術の方が安全」という意見をいただきました。
確かに技術的にはその通りです。
しかし私が問題視しているのは、
- 高価で常に持ち歩くスマホに重要情報を入れること
- 常時通信しているデバイスに保険証データを置くこと そのものが本当に望ましいのか?という点です。
便利さを優先する人は、この“裏側のリスク”を深く考えない傾向があります。
私は「便利だから良い」という発想ではなく、 便利の代償として何を失う可能性があるのかを考えるべきだと思っています。
「個人のリテラシー向上」
システムの精度を上げることはもちろん重要ですが、 それ以上に大切なのは 個人の情報リテラシーを高めることです。
今、世界中で「インシデント前提(ゼロトラスト)」という考え方が広がっています。
つまり、
どれだけ安全に作られたシステムでも、必ず穴がある という前提で行動するということです。
Windows が常にアップデートを続けているのも、 「完璧なシステムは存在しない」という現実があるからです。
デジタルとはそういう性質を持った世界なのです。
私が伝えたいのは、 技術的な安全性の説明だけでは安心は成立しない。 便利さの裏側にあるリスクを理解し、個人が主体的に判断することが重要だ。 という点です。

