
権利を主張するより調和が大事
うちの部品ショップは、おかげ様で毎日たくさんの方にご利用いただいています。
ありがたい反面、その分お問い合わせも本当に多く、ときどき烈火のごとく怒りのメールが届くこともあります。
読んだ瞬間、「えっ?」と固まってしまうような内容もあったりして…。
もちろん、お客様あっての商売ですので悪く言うつもりはありませんが、今日はそんな日常のやり取りから感じていることを少し書いてみます。
メーカー部品は“特殊な世界”
まず大前提として、PCメーカー製の部品は「自分のモデルに合うものを探す」ことからスタートします。
当たり前のようで、実はこれが意外と難しい。
メーカー部品は基本的に“非売品”扱いで、市場向けの型番が存在しません。
製造ラインで使われる特殊なコードしかなく、キーボードの一部に至ってはそのコードすらないこともあります。
だからこそ、当店では探し方を細かく説明しているのですが……理解せずに購入される方も少なくありません。
普通は「機種名で買えばいい」と思いますよね。
でもメーカー部品は、同じ機種でもレビジョンやリリース時期で全く違う部品が使われていることがあるのです。
そのため、機種名だけで購入され、届いた後に「使えない!」と怒りのメールが届くこともあります。
できれば説明をよく読んで、わからなければ質問してほしい。
理解しないまま進めると、結局はご本人が損をしてしまうんですよね。
メールの“最初の一文”でわかること
怒りのメールにもいろいろなタイプがあります。
中には人間性を否定するような言葉が並ぶこともあり、「何でここまで言う必要があるのかなぁ…」とがっかりすることもあります。
ただ最近は、「まあ、こういう人もいるよね」と気持ちを整えられるようになりました。
本当にいろんな人がいます。
面白いのは、メールの最初の一文でその人のタイプが大体わかること。
正義感や良識のある方ほど、怒りの内容が強めで、こちらのメンタルが崩壊しそうになることもあるんです(笑)
「いい加減なショップだ」「俺が正してやる」という心理が働くのかもしれません。
丁寧に説明すると、人は変わる
どんな方にもまず丁寧に説明すると、多くの方は「そういう仕組みだったんですね」と理解され、その後は驚くほど穏やかなメールが返ってきます。
これが本当に不思議。
逆に、最初から冷静な方は「お世話になります」「ありがとうございました。しかし…」といったビジネスライクな前置きが必ずあります。
こういう方は説明後に返信がありません。
無視です。諦めたのか、怒っているのか…何も来ない。
多分、ラインの既読スルーと一緒で「沈黙が怒りの現れ」なのでしょう。
「ごね得」の時代?
とにかく、最近はねちっこいんです。
先日は電話で「その売り方は消費者センターに相談します」と言われました。
こちらも申し訳ありませんとしか言いようがないんです。
何が気に入らなかったのかはわかりませんが、怒りが頂点に達しているのか、何を言っても納得してくれません。
最近は「ごね得」という風潮があるのか、自分の思い通りにならないと納得してくれないケースが増えています。
ほとんどの方は説明するときちんとお詫びされ、納得していただけるのですが、ほんの一部の方はなかなか難しいです。
最終的にこちらが受け入れても、欲しい部品は手に入らないので、結局はご本人が損をしてしまうんですよね。
逆に、前向きに理解してくださる方にはこちらも自然と協力したくなり、リペアまでしっかり支援しています。
人が支えるビジネス
どれだけテクノロジーが進んでも、メーカー部品の世界は“専門家の力”が必要な業態です。
その力に頼りたくない人はメーカーサポートか、修理店に相談した方が良いのです。
部品を探すのは絶対に専門店しかありません。
もちろん、どんなお客様にも一定の対応を心がけていますが、こちらも人間です。
「客なんだから」という権利だけを主張されると、どうしても対応もそれなりになってしまいます。
結局はご本人が損をするだけなんですよね。
AI時代だからこそ必要な姿勢
時代は生成AIへと移りつつあります。
だからこそ、人の支援が必要な領域では「権利」を振りかざすより、お互いに歩み寄る姿勢がますます大切になっていくと感じています。
「権利」だけ主張する時代はデフレで大量生産の時代です。
それはもう既に終わり、物や人力が希少な時代です。
そんな時代で「俺は客だぞ」と言っている人は誰からも相手にされないでしょう。
自分が得するためには、相手に歩み寄ることが必要です。
人不足・物不足の時代だからこそ、“どう相手を動かすか”が重要になってきています。
私自身も仕入れ先に対しては、自分の利益より相手の利益を優先しています。
それが令和ビジネスだと思うし、インフレ時代に生き残る唯一の方法じゃないですかね。
以上


