
パソコン市場の激化
先日、事務所に一本の電話がありました。
相手はパソコンの製造メーカー。
聞けば「ぜひ一度ご挨拶に伺いたい」とのこと。そして20日(月)、担当者の方が来社されました。
メーカー名は MDL.Make。
鹿児島発祥で、ゲーミングPCを中心に製造・販売している会社だそうです。
正直、私はまったく知らないメーカーでした。
というのも、彼らはまだノートPCを作っていないとのこと。
ショップには毎日のようにノートPCの部品問い合わせが来るので、知らないメーカーでも自然と情報が入ってくるのですが、“ノートを作っていない” となると、そりゃ知らないはずです。
最近は中国や台湾の小さなベンチャーもどんどん日本に参入してきていて、「まだまだ知らないメーカーがあるんだな」と改めて感じました。
パソコンメーカーの勢力図はどう変わったのか?
ここ数年で、国内のPC流通もずいぶん様変わりしました。
たとえば ダイワボウ情報システム(通称DIS)を考えてみます。
以前は富士通やNECを積極的に提案していたのに、最近は サードウェーブ(ドスパラ) を推すようになっています。
ドスパラといえば、私が30代の頃は“街のパーツ屋さん” というイメージ。
Pentiumが登場して、自作PCが盛り上がっていた時代、オタク店員が集まるパーツショップの代表格でした。
それが今や立派なPCメーカー。国内トップシェアのダイワボウ情報システムが担ぐメーカーですから、驚きです。
同じ時代に競っていた アプライド も、今では CERVO(セルボ) というブランドで法人向けPCを展開しています。
一方で、当時のメーカーが消えていった例もあります。
ソーテックはONKYOに買収され、そのまま消滅。
イイヤマはMCJ(マウスコンピュータ)傘下となり、パソコン工房(ユニットコム)ブランドからイイヤマPCを製造しています。
日本のPCメーカーは「三層構造」になった
今の日本のPC業界は、ざっくり三層に分かれています。
第一層:世界的巨大メーカー
DELL、HP、Lenovo など。
第二層:国内外の中堅大手
富士通、NEC、dynabook、ASUS、Panasonic、Acer、VAIO、HUAWEI など。
第三層:新興メーカー
マウスコンピュータ、パソコン工房、そして今回来社した MDL.Make などです。
第三層の多くは ゲーミングPC特化しており、SNSを駆使した戦略の下、参入しやすく、ファンの依存度も高いジャンルです。
ですから新興メーカーがまず狙うのはここなんですね。広告費をかけずに手っ取り早くSNSで紹介するというやり方です。
では、この激化する市場はどこへ向かうのか?
ここからが本題です。私はパソコン業界、セルフリペア事業を約30年近く携わっている予測すると
第一層(巨大メーカー)
AI・生成AIの普及で、一般ユーザーのPC利用は減少傾向。そのため、今後は データセンターやサーバー事業へシフト していくでしょう。
第二層(中堅大手)
ここが一番苦しくなる層なんです。法人向けビジネスは縮小し、さらに第三層の高性能格安PCメーカーが法人市場に食い込んでくるため、競争はますます激化します。
結果として、ラインナップ縮小・製造ラインのスリム化・コスト削減が避けられません。特に国内シェアがある富士通やNECは厳しくなると思います。
富士通はPC事業撤退の恐れもあり、NECも同様でしょう。dynabookは分かりません。
第三層(新興メーカー)
海外からの新規参入も増え、ここも競争は激化する一方です。
AI時代、国内メーカーはどう生き残るのか?
AIの普及でPC需要は確実に減っていきます。
そこに円安、海外勢の参入が重なり、国内メーカーはかなり厳しい状況に追い込まれるでしょう。
でも、ここで面白いのが セルフリペア事業。
PCの寿命を延ばし、ユーザー自身が修理・交換できる仕組みをどう作るか。
ここに新しいビジネスチャンスがあると感じています。
ですから、恐らく参入してくると思いますが、ここが難しいところで私がやっているのはパーツ提供のみですから、ほとんどが情報発信なんです。
そこに新興メーカーがうまみを感じるか?
部品の提供とノウハウの提供ですから、なかなか参入が難しいと言えばそうなんです。
以上

