
変わりゆく日本
2027年4月1日から、銀行での本人確認の仕組みが一部変更されます。
背景にあるのは犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正です。
銀行口座の開設や各種手続きの際に行われる本人確認の方法が、窓口・オンラインともに大きく変わることになります。
知らずに銀行へ行くと戸惑う場面もあるかもしれません。
今回はその変更点について簡単にまとめてみたいと思います。
銀行窓口での本人確認
これまでは、運転免許証やマイナンバーカードを提示したり、コピーを提出したりすることで本人確認が行われていました。
しかし、今後はカードに内蔵されたICチップを専用端末で読み取る方式が主流になります。
つまり、カードを見せるだけではなく、ICチップの情報を確認することが前提となるのです。
そのため、運転免許証を利用する場合は4桁の暗証番号を覚えておくことが重要になります。
「免許証は持っているけれど暗証番号を忘れてしまった」
そんなケースでは手続きがスムーズに進まない可能性がありますので注意が必要です。
オンライン本人確認も大きく変化
オンラインバンキングや各種契約手続きにおいても、本人確認の方法が変わります。
これまでは、ご存じのように下記でした。
- 免許証の表面・裏面を撮影する
- 自撮り画像を送信する
- アプリから画像をアップロードする
しかし、今後はこうした画像送信方式が原則として利用できなくなり、スマートフォンでICチップを読み取る「公的個人認証」が中心になると考えられています。
カードをスマートフォンにかざして本人確認を行う仕組みです。
そのため、NFC機能に対応したスマートフォンが必要になります。
セキュリティ面では大きな前進といえますが、一方で利用環境によっては不便を感じる人もいるかもしれません。
銀行店舗の統廃合
もうひとつ気になるのが銀行店舗の統廃合です。
実際、私のところにも三井住友銀行から案内が届き、利用していた天神の支店が博多駅周辺の支店へ統合されることになりました。

これまでなら徒歩で行けた支店が、今後は少し足を延ばさなければなりません。
こうした動きは今後さらに広がっていくのではないでしょうか。
背景にはオンラインバンキングの普及があります。
三井住友銀行では「Olive」を大きく推進しており、多くの手続きをスマートフォンで完結できる環境づくりを進めています。
地方銀行についても進捗の差はあるものの、方向性としては同じだと感じます。
オンラインは本当に安全なのか
サイバー犯罪のニュースが連日報道される一方で、銀行はオンライン利用を推奨し、店舗数を減らしています。
すると、
「オンラインの金融システムは本当に安全なのか?」
という疑問を持つ人もいるでしょう。
私個人の考えでは、「絶対に安全」と言い切ることはできないと思います。
金融機関がセキュリティ対策を強化しても、利用者自身が安全に利用できなければ被害を防ぐことはできません。
近年は犯罪の手口も巧妙化し、AIが活用される時代になっています。
利用者としては、銀行任せにするのではなく、自分自身でもセキュリティ意識を持つことがますます重要になっていると感じます。
便利になった反面、気を付けるべきことも増えているのが現実です。
高齢者は大丈夫?
ここで気になるのが高齢者の方々です。
「スマホがなければ銀行を利用できなくなるのではないか」
という不安がある一方で、
「スマホを持つとセキュリティが心配だ」
という声も聞こえてきます。
私の母は現在もガラケーを利用しており、スマートフォンは持っていません。
また、マイナンバーカードも取得していません。
もちろん考え方は人それぞれですが、現時点では銀行との付き合いで大きな不便を感じていないため、それでも十分だと考えています。
今後はスマホがないと不便な場面が増えるかもしれませんが、だからといって全員が同じ選択をする必要はないと思います。
運転免許証を持っていれば、ICチップを利用した本人確認も可能です。
暗証番号を忘れないようにしておけば、当面は十分対応できるでしょう。
マイナンバーカードは必須なのか?
現時点では、マイナンバーカードがなければ何もできないという状況ではありません。
もちろん持っていると便利な場面はありますが、持っていないからといって直ちに生活に支障が出るわけではありません。
ただし、今後制度変更が進めば状況が変わる可能性はあります。
これから先、
「スマホは必須ですよ」
「マイナンバーカードがないと困りますよ」
という情報を目にする機会も増えるでしょう。
ですが、そうした情報に振り回されるのではなく、自分に本当に必要なのかを冷静に考えることが大切だと思います。
大切なのは必要以上に不安にならないこと
デジタル化が進むことで生活は便利になります。
しかし、その一方で不安を感じる人が増えるのも事実です。
そして残念ながら、その不安につけ込む詐欺や犯罪も少なくありません。
本人確認の仕組みが変わったとしても、アナログな方法がすべてなくなるわけではありません。
郵送などスマホを持たなくても利用できる手段は当面残るでしょう。
だからこそ、必要以上に不安になる必要はないと思います。
これからの時代は、便利さを追求するだけでなく、「どうやって自分自身を守るか」を考えることも重要になります。
周囲が利用しているから自分も使わなければならない。
そんなふうに考える必要はありません。
大切なのは、自分にとって本当に必要かどうかです。
情報に振り回されるのではなく、自分自身の基準で判断すること。
2027年の本人確認制度の変更は、そのことを改めて考えるきっかけになるのかもしれません。
以上

