
早期退職
それにしても、最近は早期退職の話題がやたらと増えています。
AIが加速度的に普及し始めている今、企業がその波に備えて動き出しているのは当然の流れでしょう。
ただ、早期退職制度で人生を“損得”で判断した一瞬の選択が、とんでもない方向へ転がっていくことがあるんです。
だからこそ、ここは慎重に考えたほうがいいと私は思っています。
今日はその視点で、少し書いてみますね。
都合の良い思考
この話題を耳にするたびに感じるのですが、「仕事」って空気みたいな存在なんですよね。
いつの間にか当たり前になっていて、気づけば生活の一部になっている。
その空気が突然なくなったとき、人はどうなるのか。
私は頭の辞書にはありません(笑)
それが早期退職だけじゃなく、通常の退職でも同じことが言えると思います。
明日から会社へ行かなくても良い。
私は38歳のとき、わずかな退職金を受け取ってサラリーマン人生に終止符を打ちました。
ただし、理由は「起業」。
いわゆる早期退職の優遇制度とはまったく別物です。
早期退職なら、退職金とは別に給与数ヶ月分が上乗せされる制度もあるようで、私から見れば羨ましい限りです。
一般的な退職金が2500万だとすれば、給与50万の人なら22ヶ月分とすれば1100万が上乗せされて、合計3600万が一括で振り込まれる計算になります。
うひょ~お。。いきなり3600万です。
確かに魅力的ですよね
では辞めなかった場合はどうか。
仮に一般職の人が50歳で大企業の年収900万なら、退職までの10年で約9000万の給与が入ることになります。 しかも大企業なら、給与以外にも恩恵が山ほどあるはずなんです。
そう考えると、早期退職のたった3600万であり、「損」に見えるかもしれません。
でも、人は多分こう考えるんですよね。
「残りの10年は別の仕事でのんびり働きたい」
そして、その“別の仕事”の年収を、なぜか今の年収と同じ900万で計算してしまうんです。
「それくらいはもらえるだろう」とね。
そうなると早期退職はたちまち「得」になるんです。
だから辞める。
こういう計算式ができあがりませんか?
いくらなんでも現職と同じ給与ってのはないと思いますが、限りなく近いと考えてしまうので人間の損得勘定って、本当に不思議な力を持っていると思います。
辞めて何ができるか?
そんなことを考えていた矢先、先日ヤマト運輸のドライバーさんと話す機会がありました。
彼は事務所で良く運送業界の中を話してくれます。
生の情報です(笑)
何気なく私が「もしこの会社が倒産したらヤマトさんで雇ってもらえばいいですよね」と言ったら、ヤマトさんは何と言ったでしょう。
「ヤマトは45歳までだったかな?未経験者は雇わないんです」 と、きっぱり言われたんです。
もちろん、笑う話です。
でも、それ聞いて確かにと思いました。
雇うなら若い方が良いですよね。
いくら少子高齢化と言え、希望はそれなんです。
その瞬間、ふと自分に問いかけたんです。
「だったら自分には何ができるのか?」
もし、私がそのまま東芝の子会社でサラリーマンを続けて、早期退職の利用で3600万を手にしてたら、その後何ができるか?
多分何もできないでしょうね。
貯金して、孤独を味わうか、運が良ければ取引先に潜り込んで、バイト代くらいの給与をもらうでしょう。
多分、そうやって人生の終わりまで時間を潰していくと思いますよ。
私自身、サラリーマン時代に“何かできるようになる”という意識で働いていたわけではありませんし、自分のワークエリア(働く場所)を自分で作りたかったという思いで生きてきましたから、結局は起業(経営)しか選択肢が無かったのです。
ただ、多くの人は、いざ自由になった瞬間に「何もできない」という現実に直面すると思います。
結局はそう考えると早期退職は「損」だと思いませんか?
3600万か?いくらかわかりませんが、人生のワークエリアと交換にお金をもらう。
私は損だと思います。
ホワイトカラーほど何もできない
大企業で不要になるその多くがホワイトカラーです。
要は管理職。
そういう人ほど管理なんかしてませんよ。
そういう彼らが社会で何ができるのか。
多分何もできないです。
井の中の蛙ですから、役職というブランドが無いと何もできないと思います。
だからワークエリアなのです。
もちろん、できる人は人脈も行動力もあって、新しい人生を切り開いていくと思います。
でも、誰もがそうではない。
ここで私が言いたいのはただひとつ。
人生を損得勘定で考えると、結局は「損」することが多いような気がするんです。
早期退職こそ、その何ものでもないのだと思います。
そんな風に人生を損得で考えると、「仕事とは何か」という本質にたどり着けないんですよね。
だから早期退職の誘惑に乗ってしまうんです。
本当は「働く場所がある」ということ自体が「得」なんですけどね。
私は今回のニュースとヤマトさんとの会話を通して、改めて事業継続の重責を感じました。
再生部品事業が失敗したら働く場所が無くなる。
そんな思いで日々前進ですね。
増々やる気ができてきました。という話。
そんな休みの朝でした。
以上


