
海外取引の違和感
中国と取引をしていると、どうしても一つだけ違和感を覚えることがあります。
それは「日本人は細かい」といつも言われることです。
なぜ?
こちらは“客”として買う立場のはずなのに、どう見ても売る側の方が強いムードになるんです。
「お前に売ったら赤字だ!」
このビジネスは2017年からやっていますが、最初はそういう感じを受けませんでした。
コロナ以降ぐらいから徐々にそんな場面に出くわしてきました。
簡単に言えば、日本人は神経質だ!ということです。
国内の感覚だと、未使用品の部品は“綺麗で当たり前”ですよね。
日本は未使用=新品(綺麗)という方程式が頭の中で出来上がっているから。
傷だらけだったり汚れていたら、どう見ても中古品に見えるでしょ。
これは中古=安い、つまり安ければ少々汚れていても良い、という方程式ができているから。
そんなものを「新品」「未使用」で売るとクレームになるのが当たり前じゃないですか。
ところが彼らは違うんです。
「どんなに汚れていても新品は新品。中古じゃない」「動くから問題ない」「未使用だ」
そんな感覚でビジネスをします。
これが通用する世界なんです。
こちらから細かい内容を言うと、「そんなこと言うと売るもんないぞ!」「お前とビジネスしていても儲からない」、平気でそう言ってきます。
彼らは日本人のように回りくどく言わず、率直に言ってきますから、「なんだこいつは?」というシーンが度々あるんです。
もちろん最近は改善されて、綺麗なものを送ってくるようになりましたが、過去のやり取りを振り返ると、こうした価値観の違いを感じる場面が本当に多かったんです。
本当の理由
でも、グローバルに考えれば日本人の視点がちょっとだけズレている気がします。
日本は約30年もの間デフレが続いてきましたよね。
デフレとインフレで大きく違うのは、「売る側が強いのか」「買う側が強いのか」という点です。
デフレでは買う側が圧倒的に強いんです。
だから「お客様は神様」という文化が根付いたんだと思います。
この構造が背景にあり、結果として、
「これ汚いから返品」「もっと安くならない?」
そんな“買い手の強さ”が当たり前になったという訳です。
それで買い手がいろいろ言っても、それが通ってしまう文化が出来上がっていったのだと思います。
だから違和感を感じるんです。
しかし、インフレは真逆。
世界はインフレですから、売る側が強いです。
面倒な客には「じゃあ他で買ってくれ」と平気で言えるし、買いたい人は山ほどいます。
実際、私のショップでも、部品は希少ですし、他で売っていませんから、売る側が強いです。
ですからあれこれ言ってくる人にはやんわりと断っています。
何も言わない客が直ぐに買っていくからです。
ヤフオクでもメルカリでも、好きなところで買ってください、というスタンスになっていることも事実です。
でも世界から見れば、日本人は今も“デフレマインド”のまま。
売る側が強くなっていることに気付いていない人が多く、取り残されているということもあります。
正直、私自身もその感覚が完全に抜けているとは言えません。
だから「金払ってるんだから、もう少し丁寧に対応してくれても…」
そんな違和感を心のどこかで感じているのでしょう。
部品は希少なので、中国からすれば「他で買ってくれ!」と言えるんです。
以前「お前とはビジネスの価値観が違う。もう無理だ!」と言われたこともあります。
ただ、腐れ縁なのか、まだ続いています。
それは多少人情もあるのだと思います。
自覚しなければならないのは、今の日本はすでにインフレ局面なんです。
どう、品質の良い部品を安く仕入れるか?
これが交渉術ですから、デフレマインドを捨て、彼らに有利な条件でビジネスをしていかなければならないのです。
時代が変わっているのに、感覚だけが昔のまま取り残されてしまうと大きく足を踏み外してしまうでしょう。
中国ビジネスではそこが日本人と違うところなんです。
以上


