
徹底的に無駄を省く
何気なくGoogleを開いた朝。
ニュース欄に、ひときわ目を引く一行が走り書きのように浮かんでいた。
「パナソニックHD中山執行役員『徹底的にムダ省く中国のやり方広める』」
ん? 何のことだろう。
そう思って記事を開いた瞬間、妙に腑に落ちる感覚があった。
日経の有料記事なので細部は書けないが、要点はこうだ。
パナソニックHDが低迷する家電事業を立て直すため、中国式の開発手法やコスト管理を導入しようとしている。 中国駐在歴の長い中山正春執行役員は「ムダを徹底的に省く中国のやり方を社内に広める」と語ったという。
この一言を読んだ瞬間、私の中で長年の経験がつながった。
なぜ中国はここまで発展できたのか?
日本と同じく、似たような人口構造を辿ってきた中国。
だから価値観も日本に近いはずだ――そう思いがちだが、実際はまるで違う。
むしろ、日本が中国の後を追っているのではないかとさえ感じる。
私は2017年から海外ビジネスを自分の視点、自分の行動範囲の中で進めてきた。
海外ビジネスという大きなくくりではなく、並行輸入ビジネスと言った方が良いだろう。
相手は当時24歳だった中国人の若者。
彼とずっと仕事をしてきた。
3年ほど経った頃、彼のビジネスセンスを見て「中国が発展した理由」が何となく理解できた。
日本と中国では、価値観の根本が違うし、若者の価値観も全く違う
中国人には“無駄”がない
とにかく、彼らには無駄な作業がない。
これは単なる効率化ではなく、もっと深いところ――教育に根ざしていると感じる。
日本でいう「自意識過剰」という文化。
「人からどう思われるか」を異常なほど気にするあの感覚。
これが日本のビジネスを重くし、進むものも進まなくしている理由である。
中国人はこれを嫌う。
彼らは驚くほどドライだ。
「ここで断ったら相手が嫌な気持ちになるかな?」 そんな“思いやりのための遠回り”は、彼らのビジネスでは全く意味を持たない。
彼らの世界には 黒か白か しかない。
日本独特の「灰色」は存在しないのだ。
この価値観を理解できれば、中国ビジネスはもちろん、海外ビジネス全般で成功しやすくなる。
日本人の“特殊な感覚”
私はサラリーマンを辞めて20年ほど経つが、今でも大手メーカーの社員と話すと「日本人は無駄が多い」と感じる。
なぜか?
それは会社の歴史のようなものかもしれない。
会社に依存するあまり、奴隷のようになっているのかもしれません。
私が無駄と言ってのは「作業やコスト」ではなく、 思考の無駄なんです。
周囲を気にしすぎるあまり無駄が多いと思っています。
そう、日本人は空気を読みすぎる傾向にあります。
誰も傷つけないように、誰も怒らせないように、誰も置いていかないように。
その結果、スピードが落ちる。
判断が鈍る。
競争に負ける。
世界はそんなに優しくないんです。
特にこれだけ国力が低下した今、思考的な無駄は命取りと思います。
実力主義の時代へ
中国の若者と仕事をして痛感したのは、世界はすでに「実力主義」に完全に移行しているということ。
技術もスキルもノウハウも。
IT分野は特に顕著で、スキルがなければ何もできない。
マーケティングひとつとっても、あるとないのとでは結果が大きく変わる。
「好きこそものの上手なれ」
これは本当に真理だと思う。
当たり前のことを当たり前にやるだけでは生き残れないんです。
差別化しなければ、世界では埋もれてしまう。
だからこそ、中山執行役員の言う 「徹底的にムダを省く中国のやり方」 という言葉は、今の日本にとって非常に重い意味を持つ。
特に大手企業は日本人の若者を厳選し始めています。
要はやる気があるか?無いか?
やる気とはスキルですので、そこを見始めています。
私たちが捨てるべき無駄は、作業やコストではなく
―― 思考の中に潜む“日本的なしがらみ”――
これだと私は思います。
皆さんもお分かりのように政府自体に「国をどうしていくべきか?」を考える舵取り役みたいな人がいませんので、グローバル化の中に吸い寄せられています。
それであればグローバルな考え方にしていかなければ本当に日本は沈没してしまうのかもしれません。
以上


